お墓のデザイン

お墓の形には、伝統的な四角柱の和型、横長プレート状の洋型、墓地独自の壁型や寝かせたプレート型、そして、オリジナルなデザイン墓などがあります。デザイン墓といっても、洋型に少し手を加えたものから、完全なオーダーメイドのものまで様々ですが、通常は、和型にするか、洋型にするかが、よくある悩みでしょう。

どちらが多いかは墓地にもよりますが、都内の民間霊園では、最近の新規につくられた分では、すでに洋型が和型を上回っている、という調査もあります。また、その場合、○○家の墓ではなく、「愛」とか「ありがとう」とか、刻む文字によって、個性を出すケースも増えてきました。デザイン墓については、各石材店でデザイン集なるものを持っていて相談に乗ってくれるところもあります。

和型の墓石

和型の墓石
和型の墓石はお釈迦様の遺骨を納めた仏舎利塔に由来しているもので、現在のような形態の墓石は江戸時代の中期頃からつくられてきたと言われています。全体の割合としては少なくなりましたが、現在でも多くの人が和型の墓石を建立しています。和型の墓石は三段重ねのものが主流になっています。上から棹石、上台石、中台石で構成されていて、棹石は天、上台石は人、中台石は地を表現するとも言われています。

寸法は、地域や加工法によって違いますが、正面から見た棹石の幅によって8寸角(約24cm)、9寸角(約27cm)、尺角(約30cm)などのタイプに分けることができます。 棹石上部の形を変えたり、蓮華台やスリンと呼ばれる装飾を施したりして、少しずつデザインを変えることもできます。

洋型の墓石

公園墓地や芝生墓地の増加とともに、洋型の墓石を選ぶ人も増えてきました。首都圏では新しく建立されるお墓の7割以上が洋型墓石だと言われています。最近は寺院墓地でも洋型墓石が認められるようになっています。

洋型墓石の棹石の形は、正面が斜めに削られた「オルガン型」と、シンプルな直方体の「ストレート型」が一般的です。

石材店によっては、曲線で棹石の形に工夫を凝らしたり、球体を取り入れたりと、様々なデザインの洋型墓石が用意されているので、自分の好みに合ったものを選ぶことができるでしょう。中には非常に工夫を凝らした、オーダーメイド感覚のデザインのものも用意されています。これらはオーダーメイドの雰囲気を持ちながらも、あくまでも既成のデザインなのでデザイン費が掛からず、オリジナルデザインの墓石に比べて予算を低く抑えることができるという利点があります。
洋型の墓石

オリジナルデザイン墓石

オリジナルデザイン墓石
石材加工技術の発達や、自分の個性をお墓に反映させたいという意識の高まりから、アイディアを活かしたオリジナルのデザイン墓石を建立する人も増えてきました。オリジナルデザイン墓石を建てたいと考えた場合、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

まず、自分がつくりたいお墓のイメージを固めていきます。この時、既成のお墓をもとに、墓石の色や装飾、刻む文字、表面の加工法などを工夫して変化を出す方法と、全くオリジナルの墓石をつくっていく方法が考えられます。

イメージを形にする時には、お墓に入る人や継承していく子や孫のことも考慮する必要があります。家族みんなが納得できるよう、よく話し合って進めていきましょう。また、お墓を建てる区画の広さや霊園全体の雰囲気にマッチしているかどうかをよく確認することが大切です。

ある程度のイメージが出来たら、石材店に相談して、もっと具体的に話を進めていきます。石材店によっては、完成予想図をCADなどを使って立体的に示してくれるでしょう。
霊園によっては建立する墓石の高さや大きさに規制が設けられています。墓石のデザインが出来上がってから、石の高さを削らなければならなくなり、そのために全体のデザインが台無しになってしまったなどということがないように、十分に注意しなければなりません。

自分のイメージ通りのオリジナルデザイン墓石を完成させるためには、信頼できる石材店を探し、担当者とよく話し合うことが大事です。

墓石に刻む絵柄・文字

公営墓地、民間霊園では墓石に刻む文字には、特別な決まりはありません。一般的には「○○家」「○○家之墓」などと刻むことが多いようです。寺院のお墓では、各宗派によって決められた彫刻方法がございますので、御住職様に御相談いただきお決めいただきます。また棹石の正面上部や、外柵に家紋を刻んだお墓も多く見受けられます。

近年は「○○家」などの家名ではなく、故人の個性を表現した文字や言葉を刻んだお墓が増えています。特に洋型墓石の場合は、家名や宗教にとらわれずに、「愛」「和」「感謝」「ありがとう」などの好きな言葉を刻むことが多いようです。故人がつくった詩や俳句、短歌などを刻んだお墓もあります。
お墓に好きな文字を刻んで、自分の思いを込めることは素晴らしいことですが、注意しなければならないこともあります。

そこに書かれた言葉や詩が「愛」などの普遍的なものか、故人の創作によるものであれば問題はないのですが、どこかから引用した言葉の場合、無断でおこなうと著作権の侵害となるおそれがあります。実際、お墓のことが歌われたヒット曲の歌詞や、ある有名な詩人の詩の一節を刻んだお墓を見掛けますが、中には著作者の許可を得ずにつくられたお墓もあるようです。 著作権の問題をクリアするためには、必要な手続きをすれば良いのですが、そのことについてはあまり知られていないようです。
墓石・デザイン文字

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